月が遠くで泣いている
暗闇の中、泣いている

『パディネリー』

夜明けが来て、明るくなった。
結局一睡もできなかった。
ずっと、幼なじみのコトを考えていた。

今はまだ、生きてるだろうか。
分からないのがもどかしい。
くやしい。
たった一人のオレの鬼ダチ。
大切な幼なじみ。
思い出は数えきれないホドに

「…天国…」

かたいベットの上。横たわり、
壊れたストラップ握りしめてー…


□■□■

「司馬!?」
「……!?」

夜明けが来て、明るくなった。
結局一睡もせずに、広い森を猫湖とずっと歩いていた。

でもとりあえず、
何処かで休まなきゃ
という話になって、島の地図に書いてあった、小さな家に入った。
そしたら…

部内一の人畜無害。
司馬葵が、いた。
司馬は、いつも付けているイヤホンを外していた。さすがにグラサンは外していなかった
けど。

猫湖がクイッとオレのユニフォームを軽く引っ張った。
振り向くと、猫湖は司馬の後ろを指さしていた。

「…パソコン??」

オレがそれを口に出すと司馬が急に険しい顔になって、ひとさし指を口にあてた。
でもオレは、気にせずに喋った。
だって怪しすぎじゃないか。
人気のない家の中で、パソコンをいじっているなんて。
「何やってんだよっ!!」

そうしたら司馬が、近くに置いていた司馬の携帯電話?を手にとり何かを書いて、オレた
ちに見せた。
『だれが聞いてるかわからないから、喋らないで。』
「ハア??」
ついオレは素っ頓狂な声を上げてしまった。

それで一瞬間ができたんだけど
クイッ
とまた猫湖が裾を引っ張った。
「何だよ…」

『ソイツは安全だニャー』
「と猫神さまがおおせです。」
フと見ると猫湖の手にはタロットカードと、猫神さまがあった(いた?)

いつのまにやってだんだよ!!
というツッコミはおいといて、司馬の方を見た。
司馬は、また携帯に新しく言葉を書いて、オレたちに見せた。
『僕は、みんなを助ける方法を探してるんだ。信じてくれ』

画面にはそうかかれていたた。
俺は猫湖の方を振り返った。
猫湖はコクリと頷いた。

オレは
「そうだよな。信じないと…、だめだよな。」

そうしてオレは長い間森をさまよっていて、オレの心の中に住み着いてしまった疑心暗鬼
を振り払った。


「…ありがとう」

聞きなれない声がした。
…えっ!?
「司馬、今喋った!!!?」



 


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