信じて、信じて、進んでいた。
先に見えるモノがきっと、幸せであるコトを信じて…

でも…

『中盤戦ー信じる者の結末ー』

手には、いつまでも馴染まない真っ赤に血塗られた刀。
顔には沢山の返り血。
殺したヤツらに罵られた。
最後の言葉はみんな醜かった。
でも、走っていた。
手にはいつまでも馴染まない血塗られた刀。
顔には沢山の返り血。
でも走っていた。
さっきの放送でも名を呼ばれてない、親友が
生きている
と信じているから…。

□■□■

初めて会ったのは、2年になって、初めてできる後輩の歓迎会の時だった。
第一印象は、ハッキリ言って覚えていない。
オレはその時より前からもう打倒鹿目と考えてて、後輩がどうとか、考えていなかったか
ら。

ちゃんと話したのは、偶然コンビニで会ったから。
話し出したら、趣味がとてもあっていて、意外?と気さくヤツで。

アイツは上下関係が苦手で、何回か会っていくうちに敬語とか、やめていいか、って聞か
れて
その辺から本当に仲が良くなっていて。


オレはその頃からアイツを親友だと思っている。
もう少し後かもしれないケド、昔のコトなんて別にいい。
それでもオレはアイツを信じている。
たぶん、部活の中では一番。


□■□■

例えば長戸が死んだとして、
オレはどうするんだろかうか。
殺したヤツを殺すだろうか。
狂い死にするだろうか…



もしも、本当に目の前の死体が長戸だと言うならば…

「う、あぁ…」
カシャンと刀を落として、腰が抜けた。

「うわああああああっ!!!!」

髪の毛を掻き毟り、声が枯れるくらい、叫んだ。

叫びは薄い水色の空に消えた。
そして

「一宮!?」

後ろから驚きの声が聞こえた。
ゆっくりと振り向いた。
其処には三人の賊軍の三年がいた。
「うわっすげえ血!!だいじょ…
うわっ!?長戸!?」
手は刀に伸びていき…
「まさかお前…」

握った。
立ち上がり、真っ正面に向き直る。
「な、なんだよ…」

一歩、一歩
歩を進め…

「まさかオレたちを殺すつもりじゃ!?」

それが、三人のうち、誰かわかんないヤツの言葉だった。


 



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