ほんの少し前を歩くヴェイグとその直ぐ後ろから ヴェイグの影を踏むようにして、しかめっ面で歩くティトレイの姿は 彼らの微妙な距離を現しているものと誰もが皆知っていた。 その微妙な距離は、このたびが終焉に近づこうとも決して変わっていなかった。 それは、ヴェイグが心を開こうとしないせいでも ティトレイがヴェイグを受け入れないせいでもなく。 ただ、かんたんなこと。 だが、詰まるような重い空気は一切無かった。 ムードメーカーなティトレイは、皆に遠慮しているのか それが性分なのか どんな時も、どんな奴にも明るく、平等に接していたからだ。 嘘もつかなけりゃ、いつも正直。思ったことはすぐに口にしなけりゃ気がすまない。 単純バカ。 ・・・のはずだったんだけど。 ヴェイグには違うみたいで、 ・・最近話をしているところすらみていない。 代わりに、見慣れたことと言えば ヴェイグの後ろ姿を、凄い形相で睨んでるティトレイの姿・・・くらいだ。 気付いてないのかな。。 いや、気付いてないんだろう。 何せ、奴はバカだから。 ヴェイグはといえば、ヴェイグも同様。 何やら、意識してティトレイに近づこうとしていないらしい。 ティトレイが近付いてくる度に、知ってか知らずか その場を離れる彼の姿が、何度も目に入った。 何やら、頬も赤かったし。 あれは、相当怒ってるね。 ティトレイのバカなにかやらかしたんだよ、きっと。 本当、バカ 「だよねー……っと、ふ〜。今日の日記は、おわり…」 ・・・・・・・。 「…だーれがバカだって?マオくーん?」 「っわぁ!!ティ、ティトレイ……」 「人のことを勝手に日記にかいておきながら、バカ呼ばわりはねーだろ バカ呼ばわりは!」 うわ 目が据わってるし・・・・もしかして本気できれてらっしゃいます・・? 「ごっごめんってば!もうかかないから、許してよ」 「・・・・・・ま、いいけどな」 ・・・ 「・・・へっ??…い、いいの?」 ティトレイは二〜三度軽く頷いて、いつもの笑顔をマオに向けると マオの頭を乱暴になでて、デスクに置かれた日記帳を片手に踵を返した。 「但し、これは預からせてもらうゼ。 まーたかかれちゃたまったもんじゃねーっての」 「・・・わかってるよぅ。」 マオが唇を尖らせる間もなく、ティトレイは部屋から出て行った。 今日、彼と相部屋の相手は・・・・ 「ヴェイグじゃん・・・」 マオは、溜息をひとつ落として部屋の電気を消した。 日記が原因で喧嘩になってたりでもしたら、ボクまで巻き込まれかねない。 こういうときは、寝るに限る。 ・・・案の定、翌朝 ヴェイグの唇がきれていました。 首筋とか手首にも、赤い跡があったりして。。。 いったい、どんな喧嘩したんだろう・・・・・・。 ------------------------------------------ 戻る 拍手のお礼画面でうpしたやつです。。 テイルズオブリバースで昔書いたティトヴェイssですが ヘボイ(笑) そして進歩しない自分!GJです(笑) |