自分には何ができるだろう…
広い広い森の中
自分に小さく問いかけた

『自分にできること』


もう分校を出てしばらくするが、幸いまだ誰にも会っていなかった。
自分は無口で、人と喋るのが苦手で、もし今人と会っても
上手く話せる自信はないし。
今は何をしていいか分からなくて、ただやみくもに歩いていた。

バスの中で、ずっとMDを聞いてたからか、もう電池はなくて、
イヤホンをはずした。

「――!!」
少し先から口論をしている声が聞こえた。
「虎鉄!なんばしよっとね!」
猪里先輩と…
虎鉄先輩?
「死ね」

なんで、あんなに中がよかった二人が殺しあおうとしてるんだ?
虎鉄先輩は猪里先輩に銃をむけてて…
それで…
「Bye-Bye☆」
そこからはまるで一瞬で。
猪里先輩が虎鉄先輩のもってる拳銃を奪い撃ち殺した。
親友でも…こんな事ができてしまうのか?
そう思っていた。思っていたら…
銃声と一緒に虎鉄先輩の声が聞こえた。
『猪里…お前はいきろYo…』
次の瞬間猪里先輩の目からはたくさんの涙がこぼれていて…

自分は走り出した。
みんな大切なモノを守ろうとしてるんだ。
それが痛いくらい胸に響いた。
頭に浮かんだ大切な親友。
大切な仲間

…守りたい。
虎鉄先輩が命を使ってまで猪里先輩をいきるようにと言ったように…

じゃあ自分にできる事は?
何があるだろう。
大切な親友。
仲間
みんなを守りたい。助けたい。
どうすればいいんだろう

広い広い森の中、大きな決意を抱いて…



 


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