大切な人がいる
側にいたい人がいる


『いつも側にいてくれた人』

独りになったら、自分はこんなに弱いモノだと思い知った。
前からそうかもとは思っていたけど。
一人ではなにもできないとは知っていた。
独りでは何もできないと思い知った。
「もみじ…凪ちゃん…」
腕の中には、相変わらず猫神さまをもったまま、呟いた。
草のしけった臭いの中ポツンと立ち止まって…
「寂しい…かも…」
猫神さまを力強く抱きなおした
ーーー

はあっ
はあっ
はあっ
ずっと走っていて、息は絶え絶え、酸欠で倒れそうになる
寂しさが心に押し寄せて。
空はまだ暗かった。そろさろ日が差すころなのに。
太陽に似た光。温かい温もり。ずっと支えてくれた人。
それが恋愛より憧れに近いコトはわかってた。
ほら、好きな人別にいるから。
でも急にその温もりがほしくなる。
太陽に似た光。温かい温もり。
「凪さん…」
でも血のついた手じゃふれることも
できない気がする。

ゆっくり
また
歩き出した

同じ思いを持った人がいるトコロに。


 


 ・ 

 


------------------------------------------
戻る