まんまるい月の下 
くらいくらい空の下
沢山の星の下
「これからもまたこんな星を見よう。」
約束は果たされぬまま…

『プロローグ』

「見ろよ!満月だぜ!!」
見上げるとそこには沢山の星、白い光を放つ月
「すっげえキレエ☆」
見上げたまま手を大きく広げた。まるで吸い込まれそう。でもそれもいいかもしれない…
なんておもっていたら…
「とりあえずお前がいるだけで綺麗さは半減だな」
なんていうヤカラがココに!!
「…ユーは乱闘ご希望デスカ?」
「ことわる」
その差0.01秒くらい?まあそんだけ早かった。
「こんなに綺麗なんだから俺がいたってか
わんねえよ…」
月を見上げて、眩しそうに目を細めていった。顔に光が反射する。太陽みたいに自分から
光を出しているわけではないので本当はまぶしくはないのだが…
「猿野…」
犬飼が近寄りつつ俺を呼んだ。
「何?」
俺は一応返事をした。その先がかえってこないのはなんとなくわかっていたけど…
そして犬飼が歩くのをやめた。俺の近くで。そして顔を近づけてきた。
そしてそのままふれるだけのキスをした。
「…発情犬…」
そういうと犬飼はソッポを向いてしまった。
そして…
「とりあえずこれからもこうやって月を見ような…」
と言った。
俺はなんだかスッゴイ嬉しくなってきた。顔がニマーッとしてくる。
「あったりまえじゃん!なんなら明日からの野球部の避暑地で見るか―?」
何いってんだよ、と犬飼は照れながら言った。
でもなんか妙な違和感を感じた。…少しだけだけど…。明日の事を考えてから。
…でもそれは気のせいだろう、ただのきのせい…
「犬飼!!」
呼んだらおもわずコイツは振り返った。
「なんだよ」
「ずっと、ずぅっと!一緒にいような!!」
ちょっとおかしいかもしれないけど思わず口走っていた。
「?当たり前だろ!」
犬飼は柔らかく微笑んでそういってくれた。大丈夫だ。気のせいだよ…


そして約束は果たされぬまま…

 


 


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